選択的共同親権とは?単独親権との違いや注意点など
2026年4月に、離婚後の親権に関する新しい制度である選択的共同親権が施行されました。
これまで離婚後は必ず単独親権でしたが、改正後は父母が共同親権または単独親権を選択できるようになります。
この記事では、選択的共同親権の内容や単独親権との違い、注意点について解説します。
選択的共同親権制度の概要
選択的共同親権制度は、2025年10月31日の閣議決定により、2026年4月1日に施行されることが確定した民法改正によって導入された制度です。
この制度により、離婚後の親権について父母が共同親権または単独親権を選択できるようになりました。
改正前民法では、離婚後は必ず一方の親が単独で親権を持つ単独親権制度となっていました。
改正法施行後は、父母の協議により親権の形態を決定し、協議が整わない場合には家庭裁判所が判断します。
この制度は、離婚後も父母双方が子育てに関わる選択肢を広げるものですが、あくまで子の利益を最優先に運用されます。
父母の事情だけでなく、子にとって何が最善かという観点から親権の形態が決定される点が重要となります。
単独親権と共同親権の違い
単独親権と共同親権では、親権の行使方法に違いがあります。
ここでは、主な違いとして子どもの財産管理、進路・医療行為の決定、緊急時の対応について解説します。
子どもの財産管理
単独親権の場合、親権者が単独で子どもの財産管理権を行使します。
親権者の判断で、子どもの財産に関する手続きを進めることができます。
一方、共同親権の場合は、原則として父母が共同で財産管理を行います。
特に重要な財産行為については、父母双方の同意が必要です。
子ども名義の不動産売買や、相続の承認や放棄などがこれにあたります。
日常的な金銭管理は監護している親が行えますが、大きな決定には父母の協議が求められます。
子どもの進路・医療行為に関する決定
単独親権では、親権者が単独で子どもの進路や医療行為を決定できます。
進学先の選択や治療方針の決定などを単独で進めることが可能です。
共同親権の場合、進学先の決定や手術など重要な医療行為には父母の協議が必要です。
高校や大学への進学、手術への同意、長期的な治療方針の決定などが該当します。
ただし、風邪での通院や予防接種など日常的な医療行為については、監護している親が単独で判断できます。
緊急を要するときの単独での行使
共同親権を選択していても、緊急時には父母のいずれかが単独で親権を行使できます。
急病や事故など、直ちに対応が必要な場合が該当します。
もう一方の同意を待っていては子どもに不利益が生じる可能性があるためです。
協議を待つ余裕がない場合や連絡が取れない状況でも、子の安全を最優先に行動できる仕組みです。
共同親権を選択する際の注意点
共同親権を選択する場合には、いくつかの注意点があります。
父母間での十分な協議や、争いがある場合の対応、DVなどの懸念について理解しておくことが重要です。
親権の行使方法は父母で話し合う必要がある
共同親権を選択する際に重要なのは、親権行使の具体的方法を父母で十分に話し合うことです。
法律では詳細な方法まで定められていないため、家庭の事情に応じて協議して決める必要があります。
監護権の在り方や日常的な決定権限の範囲、どの事項について協議が必要かを明確にしておくことが大切です。
監護者の指定、監護の分担、面会交流の方法、養育費の負担なども協議の対象となります。
また、進学や医療など重要事項の決定手順を事前に取り決めておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。
協議内容は書面化しておくことが望ましいといえます。
共同親権か単独親権かで争いがある場合
父母の協議が整わず、共同親権にするか単独親権にするかで対立する場合には、まず家庭裁判所において調停を行うことになります。
調停で合意に至らない場合には、最終的に訴訟手続により裁判所が判断を示すことになります。共同親権を選択した後の行使方法について争いがある場合も調停の対象です。
家庭裁判所は、子の年齢や発達状況、父母それぞれの監護実績、子の意向等を考慮して判断します。
DVなどがあった場合に子どもが不利益を被る可能性
DVや虐待がある場合、共同親権を選択すると子どもが不利益を受ける可能性があります。
加害親との継続的な接触が精神的負担となることが懸念されます。
重要事項の決定に協議が必要なため、決定が遅れ子に不利益が生じることもあります。
家庭裁判所では、DVや虐待の有無、子への影響、父母間の葛藤の程度等が慎重に検討されます。
DV等が認められる場合には、単独親権が選択される可能性が高まります。
制度の運用では、常に子の安全と利益を守ることが最優先です。
まとめ
2026年4月に施行された選択的共同親権制度により、離婚後も父母が共に子育てに関わる選択肢が広がります。
ただし、共同親権を選択する場合には、父母間での十分な話し合いや具体的な取り決めが重要となります。
親権の行使方法や監護の在り方を事前に協議し、書面化しておくことが重要です。
また、DVや虐待がある場合など共同親権が適さないケースもあります。
親権の選択や具体的な取り決めに悩んだ場合は、弁護士への相談を検討してください。
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