リモート勤務で残業代が支払われないときに準備しておくべき証拠とは

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リモート勤務が広がる中で、自宅での残業に対して残業代が支払われないという問題が生じています

オフィスではなく自宅にいるからといって、直ちに残業代が発生しなくなるわけではありません。

この記事では、リモート勤務における残業代の考え方と、請求のために準備しておきたい証拠について解説します。

リモート勤務でも残業代は発生し得る

労働基準法における労働時間規制割増賃金は、働く場所が自宅だからといって、直ちに適用されなくなるものではありません。

自宅で働いている時間が労働時間と認定されるのであれば、法定労働時間である18時間、週40時間を超えた分には、25%以上の割増賃金が発生します。

深夜の時間帯に労働した場合にはさらに25%の加算、休日に労働した場合には35%以上の割増率が適用されます。

勤務場所が自宅であるとしても、直ちに残業代発生しなくなるわけではないのです。

事業場外みなし労働時間制が適用されるケースとの違い

リモート勤務に関して、事業場外みなし労働時間制が適用される場合があります。

この制度は、労働者が事業場の外で働き労働時間の算定が困難な場合に適用され所定労働時間労働したものとみなされ、残業代は原則請求できないこととなります。

ただし、リモート勤務でも、「労働時間の算定が困難な場合」に該当せず、この制度が適用されない場合は、残業代が発生し得ることとなります。

厚生労働省のガイドラインでは、パソコンが常時通信可能な状態に置かれ、上司の指示に即応する義務がある場合には、事業場外みなし労働時間制の適用が難しいとされています。

具体的には、チャットツールやメールで常に連絡が取れる状態にあり、上司の指示にすぐ対応する義務がある場合などが考えられます。

このような場合、労働時間の算定が困難であるとはいえず、みなし労働時間制が適用される可能性は低いといえます。

現在、多くのリモート勤務では、SlackTeamsなどのチャットツールで即時のやり取りが求められます。

このような働き方では、事業場外みなし労働時間制の適用は困難であるため、実労働時間に基づく残業代の支払いを請求できる可能性が高くなります。

残業代の請求に必要な証拠

リモート勤務での残業代を請求するにあたり、最も重要なのは労働時間を客観的に裏付ける証拠です。

オフィス勤務と異なりタイムカードがないため、自分で記録を残しておくことが重要となります。

パソコンのログ記録

業務用パソコンの起動・シャットダウンの時刻は、労働時間を裏づける有力な資料となり得ます

ログイン履歴やスリープ解除の記録も同様です。

会社が勤怠管理システムを導入している場合には、その打刻記録も保存しておきましょう。

メールやチャットの送受信記録

業務に関するメールやチャットの送受信履歴は、その時間帯に業務を行っていたことを裏づけます。

始業前や終業後に上司へ報告メールを送っている場合、その記録は残業の事実を示す材料になります。

スクリーンショットを撮っておくと、後から確認しやすくなります。

業務日報やタスク管理ツールの記録

日報に業務内容と所要時間を記載している場合、その記録も活用できます。

タスク管理ツールの更新履歴やプロジェクト管理ツールのログも、労働時間の立証を補強できます。

自分で作成した労働時間の記録

会社の記録が不十分な場合でも、毎日の始業時刻と終業時刻を自分でメモしておくことは有効です。

厚生労働省のガイドラインでも、やむを得ず自己申告制で労働時間を管理する場合のルールが示されています。

手書きのメモであっても、毎日継続して記録していれば、信用性のある証拠として認められることがあります。

証拠を集める際の注意点

証拠は、できるだけ早い段階から日常的に残しておくことが大切です。

残業代の請求権には時効があり、賃金支払日から3年が経過すると請求できなくなります。

後からまとめて記録を作成すると、信用性が低いと判断されるおそれがあります。

また、業務用パソコンのデータは会社が管理しているため、退職後にアクセスできなくなる場合があります。

在職中に記録のコピーやスクリーンショットを手元に保存しておくことが重要です。

まとめ

リモート勤務であっても、法定労働時間を超えて働いた分には残業代が発生します。

ただし、請求にあたっては労働時間を裏づける証拠が必要です。

パソコンのログ、メールの送受信記録、自分で作成した労働時間の記録など、日頃から意識して残しておくことが大切です。

証拠の集め方や請求の進め方は、個々の勤務状況や雇用契約の内容によって異なります。

ご自身のケースでどのように進めればよいか迷う場合は、労働問題に詳しい弁護士への相談を検討してください。

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  • ・2019年 池袋副都心法律事務所開設
弁護士 関根 翔
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