逮捕されたら解雇された!不当解雇に当たるケースと当たらないケース
逮捕されたことで会社を解雇されたとしても、事案によっては不当解雇に当たる場合があります。
今回は、逮捕を理由とする解雇について、不当解雇に当たる可能性のあるケースを解説します。
逮捕を理由とする解雇が不当解雇に当たる可能性のあるケース
不当解雇であると認められた場合、解雇は無効として、職場復帰や解雇日以降の賃金の支払いが認められる可能性があります。
具体的には、以下の場合では不当解雇と判断される可能性があります。
冤罪や嫌疑不十分で釈放された場合
逮捕されたものの、その後の捜査で嫌疑なしや嫌疑不十分として不起訴処分になった場合、自身による犯罪行為の存在自体が認定されなかったことになります。
かかる場合に、会社が、従業員が逮捕されたという事実のみを理由として当該従業員を解雇したのであれば、不当解雇と判断される可能性が高いと思われます。
不当解雇と判断される場合、従業員は、職場復帰や解雇日以降の賃金の支払いを請求することができる可能性があります。
逮捕が報道されず社会的信用を毀損していない場合
従業員が逮捕された事実が世間に広く知れ渡っておらず、会社の名誉や社会的信用が傷つく具体的な危険が認められない場合、かかる事情は解雇が認められにくくなる事情となります。
多くの就業規則には、解雇事由として、会社の信用を著しく傷つけた場合が例示されていますが、これに該当すると認められるためには、信用の失墜が生じる具体的な危険が認められる必要があると考えられます。
社名が報道されず、取引先からの抗議もない状況で逮捕を理由に解雇した場合、不当解雇と判断される可能性があります。
私生活上の行為であり業務に無関係な場合
従業員が就業時間外に職務とは全く関係のない場所で起こした私生活上の非行については、解雇が認められにくいこととなります。
職種によっては高い倫理性が求められることもありますが、一般的には、私生活上の非行が企業秩序に与える影響は限定的と考えられます。
企業秩序に影響が生じる可能性が低いにも関わらず解雇する場合、不当解雇と判断される可能性があると言えます。
逮捕を理由とする解雇が不当解雇に当たらないケース
次のような状況では、逮捕を理由とする解雇は不当解雇と言えず、解雇が有効と判断される可能性が高いと言えます。
業務内容に直結する重大な犯罪の場合
仕事の内容そのものを悪用した犯罪や、職務の遂行に不可欠な信頼を裏切る行為については、解雇が有効と判断されやすいといえます。
たとえば、金融機関の職員が顧客の資産を着服して逮捕された場合や、バスの運転手が飲酒運転で逮捕されたようなケースです。
バスの運転手による飲酒運転などは、私生活上の行為であっても、企業秩序に与える影響が大きいと判断され、解雇が認められる可能性があると考えられます。
職場で犯罪行為をした場合
職場内で発生した犯罪行為によって逮捕された場合は、懲戒解雇が認められる事案が多いと考えられます。
このようなケースでは、企業秩序に与えた影響が大きいものとして、解雇が認められる可能性が高いと言えます。
逮捕を理由に解雇を言い渡された際に検討すること
逮捕を理由に不当と思われる解雇を言い渡された場合、会社に対して解雇理由証明書の発行を求めるのが良いでしょう。
解雇理由証明書とは、どのような事実に基づき、就業規則のどの条項を適用して解雇したのかの説明を会社側が記載した書面です。
また、不当解雇の撤回を会社に求めたい場合、内容証明郵便などで解雇の効力を争う意思表示をするのが良いでしょう。
会社からの解雇通知に対して承諾のサインをしたり、自ら退職願を書いたりした場合、解雇を争うことができなくなる可能性があります。
解雇について承諾してしまうと、後から不当解雇を主張することが困難になります。
会社が解雇の撤回を認めてくれない場合、裁判所における訴訟または労働審判を検討しましょう。
訴訟や労働審判においては、解雇の無効を争うことに加え、結果として和解による金銭的な解決が図れる場合もあります。
まとめ
今回は、逮捕を理由とする解雇が不当解雇に当たる可能性があるケースや、逮捕を理由に解雇を言い渡された際の対応について解説しました。
逮捕に続き解雇が絡む案件は、刑事弁護と労働問題の両面からのアプローチが必要となる場合があります。
解雇が不当と思われる場合には、弁護士への相談をご検討ください。
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- ・早稲田大学法科大学院修了
- ・2013年 弁護士登録(登録番号 47966)
- ・2019年 池袋副都心法律事務所開設

- メディア掲載
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- 「ビジネスロー・ジャーナル」 2015年9月
- 「会社法務」 2019年12月
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- 「中学生のためのお仕事ブック」 2024年4月
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